むし歯予防のフッ素は安全です。

 フッ素と言うと、安全かどうかを気にする人がいますが、安全性で問題になるのは、飲み込むフッ素の量です。一度に大量に飲むと、急性中毒を起こします。しかし飲み込んで危険とされ医師の処置が必要となるフッ素の量は、体重1kgあたり5mgです。
(体重60kgの大人:300mg、体重10kgの子ども:50mg)

 フッ素を添加した水道水を1日1リットル飲むと、約1mgのフッ素を飲み込むことになります。フッ素塗布では、子どもで8mgのフッ素を使用し、口の中に残るフッ素量は2mg程度となります。フッ素洗口では、洗口後、口の中に残るフッ素は、お茶1〜2杯に含まれる量と同じです。このように口の中に残る量は危険とされる数値とかけ離れています。




 フッ素は、支持された量を守って使えば、むし歯予防に大変効果があり、世界中の学者や専門家により、研究が行われ、安全性も確認されています。すでに半世紀以上も、世界の国々で使用されています。わが国ではまだ実施されていない水道水のフッ素化実施国としては、天然に含まれているフッ素やフッ素を添加調整して利用している国々で薬60カ国もあり、その他ヨーロッパでは、フッ素入り歯みがき剤やフッ素添加食塩、フッ素錠剤の利用も盛んです。下のグラフでは、成果の上がっている国々に対して日本のフッ素利用の少ないことが特に指摘できます。

 むし歯予防にフッ素をつかうことは、世界保健機構(WHO)や国際歯科連盟(FDI)をはじめ、日本においても厚生省や文部省、日本歯科医師会などが推奨しています。また、日本歯科医学会では、医療環境問題検討委員会フッ化物検討部会で、フッ素使用の安全性について多角的に検討を加えて証明を行い、1999年12月に「フッ素はむし歯を予防する効果がある」と答申しています。