フッ素のむし歯予防効果
どうしてフッ素でむし歯が防げるのでしょうか?
 フッ素を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶(アパタイト)の一部になります。フッ素を含んだ歯の結晶は、普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなり、むし歯になるのを防ぎます。
 また、歯のエナメル質のまわりにフッ素があると一度脱灰した部分の再石灰化を促進し、エナメル質の補修がしやすくなります。最近の研究では、この再石灰化促進力の方がむし歯予防効果としては大きいとされています。

フッ素とシーラントの効果:新潟県弥彦小学校の例
 新潟県弥彦小学校では1970年より全児童のフッ素洗口が行われてきました。1978年には保育園でもフッ素洗口がはじまり、1989年には、4歳からのフッ素洗口、6ヶ月ごとの定期健診、選択的応用シーラントの3方法で構成される「組み合わせむし歯予防プログラム」が開始されました。
 このプログラムを実践した7年後、1996年には児童全体の平均むし歯数は10人でわずか1歯でした。9割以上の学童が治療済みも含めて、むし歯が1本もない状態(カリエスフリー)の永久歯列を獲得しました。